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研究室で実験器具を握る青い手術用手袋をした手

検体処理とCLDN18検査

CLDN18検査について、染色性に影響を及ぼすプレアナリシスの因子を含めてご紹介しま1,2

明るい背景に灰色の同心円

抗CLDN18抗体を用いた胃腺癌または食道胃接合部腺癌の検体におけるCLDN18検査

抗CLDN18抗体を用いると、主なアイソフォームであるCLDN18.1とCLDN18.2のいずれも検出します。ただし、胃腺癌または食道胃接合部腺癌の病理評価で染色性が認められた場合、下記の理由から、CLDN18.2の発現を検出していると解釈できま2,3

  • CLDN18.2は通常、胃上皮組織に発現しており、胃癌組織においても維持されてい3
  • CLDN18.1は主に肺腺癌組織に発現し、胃腺癌または食道胃接合部腺癌ではほとんど発現していない3

検体処理とプレアナリシス

バイオマーカー検査では、検体の適切な取り扱いと処理が、精密な結果を得るために重要で1

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CLDN18検査のための検体処理方法

Takeshi Kuwata, MD, PhD

明るい背景にさまざまな灰色の円

検体調製

CAP(米国病理医協会)のガイドラインでは、ティッシュプロセッサーをメーカー推奨に従って毎日メンテナンスし、処理溶液については、ホルマリンのpHおよび純度の維持、アルコール類への水混入の回避等、品質を厳格に管理することが推奨されていま1

CAP:College of American Pathologists

冷虚血時間

ガイドラインに従い、冷虚血時間は60分以内にしま1

固定

ガイドラインでは、検体を固定する際の条件や時間について、下記のように推奨していま1

定規アイコン

固定に関する主な推奨事項1,2

  • 組織は固定液に完全に浸します。

  • 検体の15~20倍量の固定液を用いることが望ましいです。

  • パラフィンは60°C未満で溶解します。

  • 十分量の腫瘍組織を用いて検査します。

アラーム時計アイコン

固定時間に関する主な推奨事項1,2

  • タンパク質の抗原性を保持するために、10%中性緩衝ホルマリンを用いて、15~25℃で6~48時間固定することが望ましいです。

  • 脂肪含量が多い組織は固定に最長48時間かかる場合があります。

組織固定が最適でない場合

検査結果に影響を及ぼすアーチファクトを最小限に抑えるためには、プレアナリシスの様々な要因を最適化することが大切です。

固定条件が不適切であったため、細胞質が染まり、膜染色性の評価に影響を及ぼしている例

固定条件が不適切であったため、細胞質が染まり、膜染色性の評価に影響を及ぼしている例

標本作製2

  • 通常の処理を行ったホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織が、IHC検査での使用に適しています。

  • CLDN18のIHC検査を行う際、厚さ4μmの組織切片とします

*CLDN18に固有の条件

保存条件1

検体の保存条件を以下に示します。

  • 乾燥している

  • 害虫がいない

  • 室温(18~25℃)

Green circles on dark background
セクショングラフィックイメージ

明るい背景にさまざまな灰色の円
明るい背景にさまざまな灰色の円

HER2検査とCLDN18検査測定タイミングについて

患者さんの機会損失を防ぐためにも測定すべきバイオマーカーについては検査結果を速やかに返却することが重要です。

バイオマーカーの同時検査を実施しない場合には、各検査の陰性が確認された段階で、逐次検査を実施するフローが必要となります。

Turn Around Timeが長くなり、治療開始が遅れたり、場合によっては検体の再取得が必要となるケースも考えられます。リスクを回避し、臨床医・患者双方にデメリットが生じないように、適切なバイオマーカー検査を意識すべきであると考えられます。

監修:国立がんセンター東病院 桑田 健 先生
スパイラル背景
明るい背景に灰色の同心円
how-to-prepare-stains

CLDN18染色結果の判定について

参考資料:1.Compton CC, et al.: Arch Pathol Lab Med. 2019; 143(11): 1346-1363. 2.ベンタナ OptiView CLDN18(43-14A)電子添文 3.Sahin U, et al.: Clin Cancer Res. 2008; 14(23): 7624-7634.(本論文の著者にGanymed社の社員、アドバイザリーボードメンバーが含まれる)