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抗CLDN18抗体を用いると、主なアイソフォームであるCLDN18.1とCLDN18.2のいずれも検出します。ただし、胃腺癌または食道胃接合部腺癌の病理評価で染色性が認められた場合、下記の理由から、CLDN18.2の発現を検出していると解釈できます2,3。
バイオマーカー検査では、検体の適切な取り扱いと処理が、精密な結果を得るために重要です1。
Takeshi Kuwata, MD, PhD
CAP(米国病理医協会)のガイドラインでは、ティッシュプロセッサーをメーカー推奨に従って毎日メンテナンスし、処理溶液については、ホルマリンのpHおよび純度の維持、アルコール類への水混入の回避等、品質を厳格に管理することが推奨されています1。
ガイドラインに従い、冷虚血時間は60分以内にします1。
ガイドラインでは、検体を固定する際の条件や時間について、下記のように推奨しています1。
組織は固定液に完全に浸します。
検体の15~20倍量の固定液を用いることが望ましいです。
パラフィンは60°C未満で溶解します。
十分量の腫瘍組織を用いて検査します。
タンパク質の抗原性を保持するために、10%中性緩衝ホルマリンを用いて、15~25℃で6~48時間固定することが望ましいです。
脂肪含量が多い組織は固定に最長48時間かかる場合があります。
検査結果に影響を及ぼすアーチファクトを最小限に抑えるためには、プレアナリシスの様々な要因を最適化することが大切です。
固定条件が不適切であったため、細胞質が染まり、膜染色性の評価に影響を及ぼしている例
通常の処理を行ったホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織が、IHC検査での使用に適しています。
CLDN18のIHC検査を行う際、厚さ4μmの組織切片とします*。
検体の保存条件を以下に示します。
乾燥している
害虫がいない
室温(18~25℃)
バイオマーカーの同時検査を実施しない場合には、各検査の陰性が確認された段階で、逐次検査を実施するフローが必要となります。
Turn Around Timeが長くなり、治療開始が遅れたり、場合によっては検体の再取得が必要となるケースも考えられます。リスクを回避し、臨床医・患者双方にデメリットが生じないように、適切なバイオマーカー検査を意識すべきであると考えられます。
参考資料:1.Compton CC, et al.: Arch Pathol Lab Med. 2019; 143(11): 1346-1363. 2.ベンタナ OptiView CLDN18(43-14A)電子添文 3.Sahin U, et al.: Clin Cancer Res. 2008; 14(23): 7624-7634.(本論文の著者にGanymed社の社員、アドバイザリーボードメンバーが含まれる)