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顕微鏡と組織サンプルを表示するコンピューターモニターを備えた研究室の設定 – 抽象的な白いドットパターンが重ねて表示されている

CLDN18.2とは?

CLDN18.2は胃腺癌または食道胃接合部腺癌の新しい標的分子であり、分子標的治療薬の対象となる患者集団を特定できると期待されています1

灰色の同心円の抽象的なパターン

CLDN18.2は治癒切除不能な進行・再発の胃癌(食道胃接合部腺癌を含む)患者において、CLDN18.2に対する分子標的薬の治療効果を予測するためのバイオマーカーです1

  • クローディンは膜貫通タンパク質の一種です2,3
  • クローディンはタイトジャンクションを構成し、上皮細胞のバリア機能や透過性、細胞極性の調節に関与しています2,3

 

 

クローディンは全身に存在しますが、CLDN18の2つのアイソフォームは特定の組織に局在しま4,5

 

CLDN18.1

緑の肺アイコン

主に肺の正常組織および肺癌組織に存在します。

CLDN18.2

緑の胃アイコン

主に胃の正常組織に存在し、胃癌においても発現がしばしば維持されています。

Dr. Matteo Fassanの「CLDN18.2とは?」ビデオのスクリーンキャプチャ
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CLDN18.2とは?

Matteo Fassan, MD, PhD

CLDN18 で染色した正常胃上皮細胞と腫瘍細胞の 2 倍の拡大図。

正常細胞および癌細胞におけるCLDN18染色像(×2倍)

非臨床のデータでは、胃組織の癌化に伴い、CLDN18.2が細胞表面に露出する可能性が示されていま4,6

正常組織ではタイトジャンクションの構成要素として発現しています

 

CLDN18.2 がタイトジャンクションの構成要素として存在する正常な胃粘膜

正常な胃粘膜では、CLDN18.2は通常、タイトジャンクションの構成要素として存在しま4,6

癌化しても発現は維持されます

 

細胞極性の崩壊と構造破壊により CLDN18.2 が露出

CLDN18.2は癌化の過程においてもその発現はしばしば維持されます。細胞極性が崩壊し、構造破壊が起きると、CLDN18.2は細胞表面に露出すると考えられていま4,6,7

転移性進行癌でも維持されます

 

胃腺癌のリンパ節転移巣や遠隔転移巣において発現するCLDN18.2

CLDN18.2は、胃腺癌のリンパ節転移巣や他の遠隔転移巣においても発現すると考えられていま1,4,8,9

CLDN18.2は、食道癌、膵癌、粘液性卵巣癌のほか非小細胞肺癌にも発現が認められていま4

スパイラル背景
セクショングラフィックイメージ
暗い背景にさまざまな灰色の円の画像
CLDN18検査は、CLDN18.2を標的とする分子標的薬による新たな治療選択肢をもたらします1

治癒切除不能な進行・再発の胃癌(食道胃接合部腺癌を含む)患者を対象とした2つの国際共同第Ⅲ相試験では、スクリーニングを受け、IHC検査が有効であった患者から採取された腫瘍検体のうち、約38%*がCLDN18.2陽性でした10,11

  • CLDN18.2は胃腺癌または食道胃接合部腺癌の有望な治療標的であり、患者選択にかかわるバイオマーカーで10,11
  • CLDN18.2は、ほかの多くのバイオマーカーと同様に、免疫組織化学染色法を用いて評価しま10-13

VENTANA CLDN18(43-14A)RxDx Assayを用いたIHC法による中央判定

 

 

国際共同第Ⅲ相試験:SPOTLIGHT試験
(海外データを含む)[検証試験]

【試験概要】CLDN18.2陽性かつHER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌(食道胃接合部腺癌を含む)患者565例を対象に、1:1の割合で抗CLDN18.2モノクローナル抗体であるゾルベツキシマブ+mFOLFOX6[オキサリプラチン+ホリナート(又はレボホリナート)+5-FU]群及びプラセボ+mFOLFOX6群にランダムに割り付けた。なお、ホリナートはmFOLFOX6療法では国内承認外である。

 

国際共同第Ⅲ相試験:GLOW試験
(海外データを含む)[検証試験]

【試験概要】CLDN18.2陽性かつHER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌(食道胃接合部腺癌を含む)患者507例を対象に、1:1の割合でゾルベツキシマブ+CAPOX(カペシタビン+オキサリプラチン)群及びプラセボ+CAPOX群にランダムに割り付けた。

 

 

 

 

 

進行胃腺癌または食道胃接合部腺癌を対象とした最近の2つの試験によると、

ほかのバイオマーカーの発現状況によって、CLDN18.2の発現に明らかな差は認められませんでした1,14

  • HER2
  • PD-L1
  • dMMR

 

2つの単施設の研究データ。1つはイタリアのパドヴァで実施された進行胃腺癌(280例)および食道胃接合部腺癌(70例)の大規模症例解析でした1。もう1つは日本で実施された進行胃腺癌または食道胃接合部腺癌患者408例の解析でし14

 

日本における胃癌の疫学
  • 日本では、Stage Ⅳの胃癌患者の5年生存率は約6%でした15, †
  • 日本では、2019年の胃癌の罹患数は124,319例(34.6%が進行期)と推定されました16,17

 

食道胃接合部腺癌患者の数値は不明でした。

がん診療連携拠点病院等院内がん登録における2015年診断例のStageⅡ、Ⅲ、Ⅳの割合

灰色の同心円の抽象的なパターン
原発巣検体とリンパ節転移巣検体で、CLDN18.2発現の一致が示唆されました。

胃腺癌または食道胃接合部腺癌患者のデータから、CLDN18.2の発現状況は原発巣と転移巣で一致することが示唆されました8

原発性胃癌患者および食道胃接合部腺癌患者523例を対象に、同一患者の原発巣と同時性リンパ節転移巣135検体を用いた試験における結果は下記の通りでした8

 

  • 86.7%

の膜染色レベルの一致度が、同一患者の原発巣と転移巣の検体間で認められました。

CLDN18.2の発現には腫瘍内不均一性があると考えられています。

HER2などのほかのバイオマーカーと同様、CLDN18.2発現には腫瘍内不均一性があると考えられることから、検体採取時はこの点を考慮する必要があります8,18

原発巣と転移巣のCLDN18.2発現の一致が報告された試験において、腫瘍内不均一性が以下の割合で認められました8

  • 40.3%

    原発性胃癌

  • 33.6%

    原発性食道胃接合部腺癌

  • 28.8%

    リンパ節転移巣



灰色の同心円の抽象的なパターン
明るい背景に灰色の同心円

検体処理と検査の詳細については、こちら

明るい背景にさまざまな明るい灰色の同心円と重なり合う円を組み合わせた画像

参考資料: 1.Pellino A, et al.: J Pers Med. 2021; 11(11): 1095.(本試験はアステラス製薬の支援により実施された。本論文の著者に同社より助成金、コンサルティング料等を受領している者が含まれる) 2.Tsukita S, et al.: Trends Biochem Sci. 2019; 44(2): 141-152. 3.Hu YJ, et al.: Mol Biol Rep. 2013; 40(11): 6123-6142. 4.Sahin U, et al.: Clin Cancer Res. 2008; 14(23): 7624-7634. (本論文の著者にGanymed社の社員、アドバイザリーボードメンバーが含まれる) 5.Niimi T, et al.: Mol Cell Biol. 2001; 21(21): 7380-7390. 6.Sahin U, et al.: Eur J Cancer. 2018; 100: 17-26. 7.Lamouille S, et al.: Nat Rev Mol Cell Biol. 2014; 15(3): 178-196. 8.Coati I, et al.: Br J Cancer. 2019; 121(3): 257-263. 9.Rohde C, et al.: Jpn J Clin Oncol. 2019; 49(9): 870-876.(本試験はGanymed社の支援により実施された。本論文の著者に同社の社員が含まれる) 10.Shitara K, et al.: Lancet. 2023; 401(10389): 1655-1668. (本試験はアステラス製薬の支援により実施された。本論文の著者に同社より助成金、コンサルティング料等を受領している者、同社の社員が含まれる) 11.Shah MA, et al.: Nat Med. 2023; 29(8): 2133-2141.(本試験はアステラス製薬の支援により実施された。本論文の著者に同社より助成金、コンサルティング料等を受領している者、同社の社員が含まれる) 12.Fuchs CS, et al.: Gastric Cancer. 2022; 25(1): 197-206. 13.Abrahao-Machado LF, et al.: World J Gastroenterol. 2016; 22(19): 4619-4625. 14.Kubota Y, et al.: ESMO Open. 2023; 8(1): 100762. (本試験はアステラス製薬の支援により実施された) 15.国立がん研究センター : がん診療連携拠点病院等院内がん登録 2014-2015年5年生存率集計 報告書, 2023 16.国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録) 17.国立がん研究センター : がん診療連携拠点病院等院内がん登録 2015年3年生存率集計 報告書, 2023 18.Grillo F, et al.: World J Gastroenterol. 2016; 22(26): 5879-5887.